VNL2026男子日本代表・ファイナルラウンド見どころ【中国戦と初優勝への注目ポイント】

バレーボールネーションズリーグ2026(VNL2026)男子のファイナルラウンドが、7月29日から8月2日にかけて中国・寧波で行われます。
日本男子代表は、予選ラウンドを12戦全勝、勝点30の1位で通過。世界王者のイタリア、オリンピック王者のフランス、前回大会王者のポーランドなど、世界の強豪国を次々に撃破。今大会で唯一無敗のまま決勝トーナメントへ進みました。
準々決勝の相手は、開催国枠で出場する中国。予選成績だけを比べれば日本が優位ですが、ファイナルラウンドは一度負ければ終わりのノックアウト方式。さらに中国は地元の大声援を受けて戦うため、単純な力の差だけではどうなるかわかりません。
日本が中国に勝利した場合、準決勝ではイタリア対アメリカの勝者と対戦します。初優勝を目指す日本にとって、準々決勝から気の抜けない戦いが続きます。
この記事では、VNL2026男子ファイナルラウンドの日程と組み合わせ、準々決勝・中国戦の注目ポイント、日本代表の強みと課題、石川祐希選手や髙橋藍選手、西田有志選手らの見どころを詳しく解説します。
VNL2026男子ファイナルラウンドの日程と組み合わせ

VNL2026男子ファイナルラウンドの日程と組み合わせ
ファイナルラウンドには、予選上位7チームと開催国・中国の合計8チームが出場します。
準々決勝以降は一発勝負です。予選ラウンドで積み上げた勝敗や勝点は、準々決勝の組み合わせを決める材料にはなりますが、試合開始後のアドバンテージにはなりません。
| 日程 | 日本時間 | 対戦カード |
|---|---|---|
| 7月29日 | 16時00分 | スロベニア対トルコ |
| 7月29日 | 20時30分 | 日本対中国 |
| 7月30日 | 16時00分 | イタリア対アメリカ |
| 7月30日 | 20時30分 | ポーランド対ウクライナ |
| 8月1日 | 16時00分・20時30分 | 準決勝 |
| 8月2日 | 16時00分 | 3位決定戦 |
| 8月2日 | 20時30分 | 決勝 |
日本対中国の勝者は、イタリア対アメリカの勝者と準決勝で対戦します。反対側の山にはポーランド、スロベニア、トルコ、ウクライナが入りました。
日本が決勝へ進むには、まず中国に勝ち、その後にイタリアまたはアメリカを破る必要があります。どちらも日本が予選ラウンドでフルセットの末に勝利した相手であり、実力差はほとんどありません。同じ相手に短期間で再び勝つには、予選とは違う展開も想定した準備が求められます。
日本男子代表は予選12戦全勝で首位通過

日本男子代表は予選12戦全勝で首位通過
日本は予選ラウンドを12勝0敗、勝点30で終えました。獲得セットは36、失ったセットは15。3-0での勝利が3試合、3-1が3試合、3-2が6試合です。
注目したいのは、12勝のうち半分にあたる6勝がフルセットでの勝利だったことです。圧倒的な内容で相手を寄せつけなかった試合ばかりではありません。イラン戦やアメリカ戦では相手に先行されながら粘り強く追いつき、フランス戦とカナダ戦では第1・第2セットを落とした状態から3セットを連取して逆転しています。
大阪ラウンドのイタリア戦も3-2。第4セットを23-25で落として勝負を最終セットへ持ち込まれましたが、第5セットを15-12で取り切っています。
苦しい展開でも土俵際で粘りを見せて、最後には勝利へつなげる力は今大会の日本を象徴する強みです。一方で、ファイナルラウンドでは連日の短期決戦になります。序盤に相手へ流れを渡し、毎試合フルセットにもつれ込むようでは、体力的な負担が大きくなってしまいます。
ファイナルラウンドでは、「粘り強い」ことは事実として自信を持ちながら、取れるセットを早い段階で取り切れるかが重要になってきます。予選全勝という結果だけでなく、その勝ち方にも注目すると、よりファイナルラウンドの観戦に見応えが出てくると思います。
準々決勝・中国戦の見どころ

準々決勝・中国戦の見どころ
中国は予選ラウンドを1勝11敗、勝点4の18位で終えました。本来の順位ではファイナルラウンド進出圏外ですが、開催国枠によって準々決勝へ出場します。
日本は6月13日の予選第1週ですでに中国と対戦し、25-23、25-22、20-25、25-21の3-1で勝利しています。
ただし、セットスコアが示すように、一方的な試合ではありませんでした。第1セットと第2セットはいずれも終盤まで競り合い、第3セットは中国に取られてしまっています。
前回の対戦では髙橋藍が21得点
前回の中国戦で日本の攻撃をけん引したのが髙橋藍選手。髙橋選手は両チーム最多の21得点。アタック16得点を51.6%という高い決定率で奪取、サービスエース3本、ブロック2本と、すべての得点要素で結果を残しました。
石川祐希選手もアタックだけで12得点を記録。ミドルブロッカーの小野寺太志選手は5本のブロックポイントを挙げ、日本はチームでトータル10本のブロックポイントを奪っています。サイドの決定力だけに頼らず、サーブとブロックでも得点できたことが前回対戦の勝因でした。
一方で、石川選手が試合後にサーブレシーブの難しさいついて言及したように、中国のサーブによって日本の攻撃が単調になる場面もありました。日本は勝利したものの、常に自分たちのテンポで攻撃できていたわけではありません。
中国のミドルブロッカー陣を警戒
中国戦で警戒したいのが、ミドルブロッカーを使ったクイックです。前回対戦では、張哲嘉選手が18得点を挙げており、アタック成功率70%に加えて4本のブロックポイントを記録。彭世坤選手も3本のサービスエースを含む11得点を挙げています。
アウトサイドヒッターの王浜選手も15得点。予選全体では中国最多の135得点を記録しており、トスが乱れた状況からでも得点を狙える技術を持った選手です。
中国にサーブレシーブを安定して返されてしまうと、セッターにミドルと両サイドを幅広く使える選択肢を与えてしまいます。特に中国のミドルは高い攻撃力を有しているので、日本のブロックがミドルを警戒して意識を中央に残さないといけない状況になってしまいます。そうすると、当然アウトサイドヒッターやオポジットへの対応が奥手しまい、サイドからの失点も増えてしまうでしょう。
日本としては、多少のリスクを払ってでもサーブで攻めて中国のレシーブを崩して、セッターがミドルブロッカーを選択できる状況を出来る限り減らすことが重要です。基本ではありますが、サーブを攻めて相手の選択肢できるコンビを限定してブロックを機能させてたいですね。
開催国の勢いに乗せない試合運び
準々決勝は中国・寧波で行われます。中国にとってはホームゲームであり、会場の雰囲気は予選ラウンドとは異なり日本にとってはアウェイの地での戦いとなります。
中国は予選18位ですが、失うものがない追う立場です。強いサーブで思い切り攻めて、ブロックでブレイクポイントを奪えば、会場の声援を味方につけて勢いに乗ることでしょう。
日本に必要なのは、序盤からサーブレシーブを安定させ、確実にサイドアウトを取ることです。難しいトスを無理に一度で決めようとせず、ブロックアウトやリバウンドを使って攻撃をやり直す判断も重要になります。
予選1位と18位という数字を意識しすぎると、日本には「負けられない」「優勝を期待されている」という重圧がかかります。そんなプレッシャーを跳ね除けるために、チーム一丸となって戦って欲しいですね。
VNL2026で見えた日本男子代表の3つの強み

VNL2026で見えた日本男子代表の3つの強み
1.髙橋藍・石川祐希を中心としたサイドの決定力
予選ラウンドで日本最多得点を記録したのは髙橋藍選手です。
髙橋選手は208得点で大会全体5位。内訳はアタック172得点、ブロック15得点、サービスエース21本です。サーブレシーブも担うアウトサイドヒッターでありながら、攻撃、サーブ、ブロックのすべてで高い得点力を発揮していることが数字にも表れています。
石川祐希選手は154得点。フランス戦では27得点を挙げ、0-2からの逆転勝利をけん引しました。また、カナダ戦ではVNL通算アタック得点1,000点を突破。長く世界トップレベルで得点を重ねてきた経験は、一発勝負のファイナルラウンドでも大きな支えになります。
髙橋選手のテクニックとスピード、石川選手の経験値と勝負強さ。特徴の異なる2人がレフトとバックアタック(パイプ)のいずれでも高い決定率を誇っていることから、相手ブロックは狙いを絞りきれません。
2.オポジットの西田有志と宮浦健人を使い分けられる
日本には、西田有志選手と宮浦健人選手というタイプの異なるオポジットがいます。
西田選手は強烈なサーブと鋭いスイングからのスパイクで、一本のアタックで試合の流れを変えられる選手です。今大会ではVNL通算1,000得点と100本目のサービスエースを達成。イタリア戦ではアタック成功率66%で20得点を記録しました。
宮浦選手は予選で118得点。フランス戦で17得点、アメリカ戦で20得点を挙げるなど、西田選手が相手ブロックに掴まりはじめたり、不調だった際に得点源として機能しています。
短期決戦では、その日のコンディションや相手ブロックとの相性が重要です。西田選手の爆発力と宮浦選手の安定感を使い分けられることは、日本の大きな強みです。
3.選手交代で試合の流れを変えられる
日本の強さは、先発メンバーだけでは説明できません。
カナダ戦では第1・第2セットを落とした後、ロラン・ティリ監督が複数の選手を交代。大塚達宣選手が18得点、宮浦健人選手が15得点、富田将馬選手が14得点、エバデダン・ラリー選手が12得点を挙げ、0-2からの逆転につなげました。
先発メンバーの攻撃がうまくはまらなくても、異なる特徴を持つ選手を入れてテンポやサーブの狙いを変えられます。長い大会を戦いながら主力の負担を分散できたことも、予選12戦全勝につながりました。
ファイナルラウンドでは、途中出場の選手が1本のサーブ、1本のブロックで流れを変えることがあります。コートに立っている6人だけでなく、ベンチから誰が起用され、どのような役割を果たすかにも注目です。
試合を見るときに各選手の役割をより深く理解したい方は、ポジションごとに日本代表レベルで求められる動きを解説した以下の記事も参考にしてください。
→ バレーボール|ポジション別の役割を深掘り【日本代表レベルで求められる動きとは?】
日本が初優勝するための3つのポイント

日本が初優勝するための3つのポイント
試合の入りで相手に主導権を渡さない
日本はフルセットの勝負に強く、劣勢から何度も試合をひっくり返しました。この修正力と粘り強さは大きな武器ですが、ファイナルラウンドで毎試合フルセットまでもつれ込んでしまうと勝ち進むことが難しくなってきます。
準々決勝から決勝まで勝ち上がれば、5日間で3試合を戦います。フルセットで試合が長引けば長引くほど、選手達への負担は増えてしまいます。
中国戦では、ホームチームならではの勢いを抑える意味でも第1セットが重要です。リスクをとってでも強いサーブを狙う場面、リスクを取らずコースを狙っていくサーブを狙う場面を見極めて使い分け、無駄な失点を押さえつつ日本のペースで試合を進められるよう戦略的に進めたいですね。
サーブレシーブ(レセプション)の安定感
世界の強豪国は、当然のように強烈なサーブをバンバン入れてきます。日本側のサーブレシーブ(レセプション)が強いサーブで不安定になると、コンビを組むことができず、単調な攻撃となり、高さで勝る海外選手のブロックの餌食となってしまいます。
日本が高さで上回る相手に勝つためには、まずはサーブレシーブ(レセプション)を安定してセッターに返すこと。
なるべくハイセット(二段トス)で攻撃しなければならないシチュエーションを減らし、セッターがクイック・パイプ・サイドを選択肢に入れられる状態を作れるかがが重要です。コンビの精度を維持しながらテンポの速い展開を可能とする技術こそが日本の強み。予選ラウンドで証明したように、相手の高さにスピードと技術で対応するこができれば、日本は世界の強豪国と対等以上に戦えます。
苦しいラリーをどれだけ得点に繋げることができるか
サーブレシーブ(レセプション)が大事だとは言っても、常に理想的なサーブレシーブが返るわけではありません。
レシーブが崩れてハイセットになり、相手のブロックが3枚付いてきた場面で、アウトサイドヒッターやオポジットの選手がどのような対応をするのか。相手ブロックにワンタッチを取られてしまいチャンスボールになった時に日本はディフェンスでどう対抗するのか。が勝敗を分けることになります。
アタッカーは完成した3枚ブロックに対して強打・ブロックアウト・リバウンド・空いているスペースへの軟打など、多くの選択肢を持ちながらチャレンジすることが求められます。また、チャレンジがうまくいかず、相手にチャンスボールが渡ってしまった際には、ブロックがいかにクイックを警戒しながらサイドを2枚ブロックで対応できるか。そして、リベロを中心としたレシーブ陣が、どれだけブロックから抜けてくる強烈なスパイクに反応できるか。そういった苦しいラリーを耐えて、得点に繋げられるシーンが増えれば有利に試合を進めることができます。
日本には石川選手、髙橋選手、西田選手、宮浦選手と、様々ば選択肢を持って難しいトスを得点につなげられる選手が揃っており、機動力の高いミドルブロッカーもいる。強打レシーブ(ディグ)の成功率が高いリベロがいて、全員が高い繋ぎ(二段トス)の技術を持っています。今回の大会では、ぜひ日本のラリーがファイナルラウンドでもうまくかみ合い、世界に通用するかに注目したいところです。
中国に勝てば準決勝はイタリアまたはアメリカ

中国に勝てば準決勝はイタリアまたはアメリカ
日本が中国に勝利した場合、準決勝ではイタリア対アメリカの勝者と対戦します。
日本は予選で両チームともに3-2の接戦に競り勝ち勝利しています。イタリアは現世界王者であり、ブロックとレシーブ陣が連携をとる組織的な守備の完成度が高いチームです。大阪での対戦では、日本が勝利したものの、ブロックポイントではイタリアが13-3と大きく上回りました。日本はサーブ、アウトサイドヒッター、オポジットによるサイドからの攻撃の決定力で競り勝ちましたが、再戦ではイタリアが日本の攻撃パターンに対策を加えてくるでしょう。
アメリカは高い打点からの攻撃と強いサーブが特徴です。予選では髙橋選手が26得点、宮浦選手が20得点を挙げ、日本が15-13で最終セットを取りました。アメリカにはジェイク・ヘインズ選手、TJ・デファルコ選手、マット・アンダーソン選手ら複数の得点源がいるため、いかにブロックを機能させて攻撃力に対応するかがポイントになります。
どちらが準決勝へ上がっても、予選で勝利したチームとの対戦になります。しかし、相手も日本のサーブコース、トスワークの傾向、各スパイカーの特徴をより分析して臨んでくるでしょう。
VNLを見て自分のプレーも見直したい方へ

VNLを見て自分のプレーも見直したい方へ
男子日本代表の試合では、強烈なスパイクだけでなく、サーブのコース、ブロックとレシーブの位置関係、苦しいトスに対する打ち分けなど、実際のプレーにも取り入れられる工夫を数多く見ることができます。
「自分ももう少し安定してボールを扱えるようになりたい」「普段の練習を工夫したい」と感じた方は、一人でできる練習方法や自主練グッズを見直してみるのもおすすめです。
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男子バレーはジャンプや着地の回数が多く、膝への負担も小さくありません。練習後の違和感や着地時の不安が気になる方は、自分に合った膝サポーターの選び方も確認してみてください。
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シューズのクッション性や安定性を見直したい方は、ポジション別に選び方をまとめた記事も参考になります。
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まとめ|12戦全勝の勢いをVNL初優勝につなげられるか
VNL2026男子日本代表は、予選ラウンドを12戦全勝、勝点30の1位で通過しました。
準々決勝の相手は開催国・中国です。日本は予選第1週の対戦で3-1と勝利していますが、第1・第2セットは接戦となり、第3セットを奪われました。中国の中央攻撃とブロック、地元の大声援には十分な警戒が必要です。
日本の強みは、髙橋藍選手と石川祐希選手を中心とするサイドの決定力、西田有志選手と宮浦健人選手を使い分けられるオポジット、そして選手交代を含めて試合中に流れを変えられる選手層です。
一方、12勝のうち6勝がフルセットだったことを考えると、試合の入りとセット終盤の戦い方は重要なポイントになります。劣勢から追いつく力だけでなく、序盤に主導権を握り、取れるセットを確実に取り切れるかが短期決戦を勝ち抜く鍵です。
日本が中国に勝てば、準決勝ではイタリア対アメリカの勝者と対戦します。どちらも予選で日本がフルセットの末に破った相手ですが、再戦ではさらに厳しい戦いになるでしょう。
日本男子代表は、VNLでこれまで銅メダルと銀メダルを獲得していますが、優勝はまだありません。予選12戦全勝という最高の結果を、初の金メダルへつなげることができるのか。近年で最もチームの完成度が高く、世界の強豪に一歩も引かない日本代表に注目です!
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