【ブロックが苦手でなかなか上達しない人】
「相手から離れた位置で飛んでしまう。スパイカーの目の前で飛んでもボールを外に弾いてしまう。タイミングが合わなくてブロックの上から打たれたり、ボールを吸い込んでしまう。試合で活躍するためにブロックのコツやどんな練習をすれば上達するのか教えて欲しい!」
ブロックはバレーボールの守備において重要なプレーの1つです。レベルの高いスパイカーが相手だと、ブロックがないと失点を免れることはほぼ不可能。コンビの高速化や複雑化に伴い近代バレーボールではブロックが特に重要な役割を果たします。そこで今回の記事ではブロック決定率・ブロック効果率を向上させるためのポイントや練習方法を解説していきたいと思います。
■コンテンツ
■絶対にブロックが上達する3つのポイント
■絶対にやるべきブロックの練習3選
■ブロック決定率・ブロック効果率を上げるコツ
今回の記事では「絶対にブロックが上達する3つのポイント」、「絶対にやるべきブロックの練習3選」、「ブロック決定率・ブロック効果率を上げるコツ」の3つのコンテンツを解説していきます。5分程度で読める記事なので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
■絶対にブロックが上達する3つのポイント

■絶対にブロックが上達する3つのポイント
まずは、絶対にブロックが上達する3つのポイントを解説していきます。ポイントをしっかりとおさえておくことで、練習する時に気をつけないといけないことや試合中に意識すべきことがわかるようになります。
①ブロックする際の正しい手の形を身に付ける
②相手スパイカーを意識した正しい位置取りを意識する
③ジャンプをするタイミングを掴む
①ブロックする際の正しい手の形を身に付ける
ブロックで相手のスパイクを止める(シャット)、またはワンタッチで勢いを殺すために重要なことは「手の形」です。せっかく相手スパイカーに対して正しい位置でブロックに付けても大きく外に弾かれてしまったり、吸い込んでしまっては意味がありません。なので、ブロックでは正し手の形を意識しましょう。大切なのは小指と親指に力を入ることです。そうすることで掌全体に力が入り、弾かれにくくなります。手の形は両手でボールを掴みにいくように意識します。また、手は必ず自分の体より前にでるようにしましょう。肩を肩甲骨で押し出すイメージをしてみるといいでしょう。しっかりと小指と親指に力を入れた状態で、ボールを掴むような手の形を作ることができえればスパイクをシャットできる確率が高くなります。
②相手スパイカーを意識した正しい位置取りを意識する
ブロックは相手スパイカーに対して「正しい位置取りをすること」が非常に重要となります。当然、スパイカーがいないところでブロックに飛んでも意味はありません。では、相手スパイカーの前あたりで飛べばいいのか?というと、それだけれは正しい位置取りが出来ているとは言えません。ブロックの位置取りで意識すべきことは相手スパイカーの打点の位置。どのポイントでスパイクを打ってくるのかで位置取りが決まってきます。打点を意識したブロックの位置取りのコツは相手スパイカーの利き手を基準にすること。
【①相手がレフトからスパイクを打ってくる場合】
サイドの選手(ライトの選手)は相手の利き手に自分の左肩が来る位置取りをします。なので、ミドルブロッカーは相手の利き手に自分の右肩が来る位置取りをすることになります。
【②相手がライトからスパイクを打ってくる場合】
サイドの選手(レフトの選手)は相手の利き手に自分の右肩が来る位置取りをします。なので、ミドルブロッカーは相手の利き手に自分の左肩が来る位置取りをすることになります。
①②ともにミドルの選手はサイドの選手(レフト・ライトの選手)との間にすき間が生まれないように寄り添って飛べばOKです。
①と②の位置取りができていれば、ストレート側に大きくボールをを弾かれることが少なくなり、ブロックしたボールも相手のコート内に入りやすくなります。
③ジャンプをするタイミングを掴む
3つ目のポイントは「ジャンプのタイミング」です。ジャンプのタイミングが遅いとブロックの手の形が完成する前にスパイクを打たれてしまうし、早いと着地に向かって落ちている時にスパイクを打たれてしまいます。手の形が完成する前にスパイクを打たれてしまうと、大きくボールを弾かれてしまったり、手の間を打ち抜かれてしまいます。また、ジャンプの落ち際にスパイクを打たれてしまうとブロックの上から打たれてしまったり、大きくボールを弾かれてしまいます。
正しいタイミングを掴むコツは基準を決めることです。スイングをとる必要のないブロックはスパイカーよりも少し遅れて飛ぶ方がタイミングが合います。なので、基準としては「相手スパイカーがジャンプをするために踏み込みをした時」としてみてください。相手スパイカーが踏み込んだ事を確認した瞬間にブロッカーが踏み込むことで、スパイカーよりもワンテンポ遅らせて飛ぶことができます。これを基準にしてみて、相手スパイカーによってタイミングが早いようならもうワンテンポ遅らせてみたり、タイミングが遅いようならワンテンポ早めてみましょう。
■絶対にやるべきブロックの練習3選

■絶対にやるべきブロックの練習3選
ブロックを上達させるために取り組んで欲しい練習方法は3つ。繰り返し練習をすることでブロックの成功率が徐々に上がってくると思います。ぜひ試してみてください。
①スタンディングでのブロック練習
②4種類のステップ練習
③優秀なブロッカーから学ぶ
・スタンディングでのブロック練習
まずは「スタンディングでのブロック練習」。ジャンプを入れたブロック練習する前にスタンディング(立ったままの状態)でブロックの形や姿勢を身に付けましょう。練習方法は二人一組で、ブロック練習をする人とブロックに向かってスパイクを打つ人で練習を行います。ブロック練習をする人のポイントは3つ。「①小指と親指に力を入れること」「②右手と左手の幅をボール半分~1個分程度にすること」「③肩甲骨で肩を前方斜め45度くらいに押し出すこと」を意識してみましょう。①を意識することで、掌全体に力が入り弾かれ難いブロックになります。②は右手と左手の間からボールが抜けてしまわないように意識しましょう。③で肩甲骨を意識をすることで、より前に手を伸ばすことができます。まずは意識せずとも正しいブロックの形が作れるように練習してみましょう!
4種類のステップ練習
ブロックでは相手スパイカーとブロッカーの距離感や自チームのブロッカーの状況等によって、4種類のステップを使い分けます。まずは4種類のステップを習得するまでスパイカ―を付けずに練習してみましょう。まずは「①1歩でのサイドステップ」。AクイックやCクイックなどの狭い幅での速攻に対するブロックに使うステップです。「②2歩でのサイドステップ」。Bクイックや速い平行に対して有効なステップです。「③3歩でのクロスステップ」。オープンとしなどの高いトスに対して、高くジャンプした状態でのブロックで対応するためのステップです。「④4歩でのクロスステップ」。相手スパイカーから距離が離れている際に使うステップです。これら①~④のステップをまずは意識しなくても自然とできるようになるまで、個人練習をしてみましょう。ブロックは一瞬で判断をする必要があるので、「意識なくてもできるようなる」ということがとても大切です。
【ブロックにおける4種類のステップ】
①1歩でのサイドステップ(Aクイックやクイックに有効)
②2歩でのサイドステップ(Bクイックや速い平行に有効)
③3歩でのクロスステップ(オープン攻撃等の高いトスに有効)
④4歩でのクロスステップ(距離が離れた位置からのブロックに有効)
優秀なブロッカーから学ぶ
なにも体育館で体を動かすことだけが練習ではありません。特にブロックは経験者にコツを聞いても「ブロックはセンス」なんて言われるくらい言語化が難しいプレーです。なので、ブロックが得意な選手のプレーを実際に見てみて参考にすることが大切。どういう風に手を出しているのか?どのタイミングでブロックを飛んでいるのか?ブロックをする前にはどこを(誰を)見て準備をしているのか?などなど、参考になることが山ほどあります。優秀な選手を見て得た気付きを実際に試してみることが、ブロックを上達させるための近道。YouTubeにいくらでも動画がアップされているので手軽に視聴することができます。こちらにも動画を貼っておきますので、ぜひ参考にしてみてください。会場に足を運べば臨場感やプレーの細部まで感じることができるので、試合観戦もお勧めです。
■ブロック決定率・ブロック効果率を上げるコツ

■ブロック決定率・ブロック効果率を上げるコツ
最後に「ブロック決定率・ブロック効果率を上げるコツ」について解説したいと思います。ブロックを成功させることは簡単ではないですが、ブロックを機能させれるか否かが勝敗を分けることになります。コツをしっかりとおさえて少しでも成功率を上げておきましょう!
ブロックは低い姿勢からスタートすること
ブロックはタイミングを合わせることができるか否かが非常に重要。タイミングを合わせるためには最初から低い姿勢をとっておくことがポイントです。高い姿勢からブロックをスタートしてしまうと、①ステップを踏む。②高い姿勢から低い姿勢をとる。③踏み込む。④ジャンプする。と、4つの手順が必要になります。しかし、低い姿勢からスタートをすれば、①低い姿勢の状態でステップを踏む。②踏み込む。③ジャンプする。と、1つ手順を減らすことができます。手順を減らすことで余計な時間を取ることなく、自分のイメージしたタイミングでジャンプすることができるようになります。
ブロックでは手を振り回さない
次に重要なことが「ブロックでは手を振り回さない」ということ。もちろん、状況によっては手を動かすこともありますが、手を真っ直ぐ出したらそのままに維持することが基本。ブロックは「スパイクを止めること」が目的ではなく、「スパイクを決めさせない」ことが目的のプレーです。なので、ブロックでスパイクを止めることができなくても、壁となりスパイクコースを限定することでレシーブが上がれば「ブロックは成功した」と考えて良いということ。ブロックで手を振り回してしまうと、塞がれていたスパイクコースがいきなり空いてしまったり、ブロックの間からスパイクが抜けてくる原因となります。ブロックではしっかりと手の位置を固定してスパイクコースを限定する壁として機能することを意識しましょう。大切なことはブロックの範囲内に打たれたスパイクを大きく弾いてしまわないこと。自分の後ろにはレシーバーがいて、ブロックを抜けていくスパイクは後衛の選手を信頼して任せることです。
まとめ‗強打レシーブ(ディグ)は反復練習が重要
「絶対にブロックが上達する3つポイント」を解説してみましたが、参考になったでしょうか?今回は、個人としてのブロックを上達させるためのポイントやコツを解説してきましたが、次回は「2枚ブロック」や「3枚ブロック」、「相手セッターに振り回されないコツ」などチームとしてブロックを機能させるためのポイントを解説していきたいと思います。
■絶対にブロックが上達する3つのポイント
■絶対にやるべきブロックの練習3選
■ブロック決定率・ブロック効果率を上げるコツ
正しいブロックの形やコツを習得するまでにはそれなりの練習量や経験値が必要となります。上手にブロックを機能させれるまでは、相手スパイカーにブロックアウトを狙われたり、ボールを大きく弾いてしまいチームに迷惑をかけてしまうことも多々あるでしょう。しかし、ブロックが機能するとスパイクを止めることができたり、上手にワンタッチが取れたり、強打レシーブ(ディグ)の成功率が上がったりと、試合を優位に進めることができるようになります。ここ一番でのブロックが決まる快感は他のプレーで得難いものです。ぜひ、3つのポイントを意識しながら紹介した練習を実戦してみて下さい。
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