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男子バレーボール‗世界最強ランキング2025【ミドルブロッカー編】

史上最強と言われる現在の男子バレーボール日本代表は、これからロサンゼルス五輪への出場を目指して熾烈な戦いを繰り広げていきます。しかし、選手として最盛期を迎えている石川 祐希選手や西田 有志選手。日本の司令塔として世界のセッターと肩を並べる関田 誠大選手。新時代のエースである高橋 藍選手など、今の日本代表の選手達であればオリンピックへの出場権を獲得することは難しくないでしょう!メダル獲得だって夢ではありません。

しかし、世界の強豪国には怪物のような選手が沢山いることもまた事実。男子バレーボール日本代表がこれから戦っていく上で、どんな世界の強者達が待ち構えているのかを紹介しておきたいと思います。ということで、今回は規格外の怪物達がひしめき合う世界最強のミドルブロッカー達をランキング形式で紹介していきます!!※各選手のプロフィールは2025年6月時点のものです。

5位‗デービッド・スミス選手

5位は難聴のハンデを背負いながら世界最高峰のミドルとして戦うベテラン「デービッド・スミス」選手。38歳という年齢に加えて難聴という身体的なハンディを背負いながら、アメリカ代表で長年活躍をしている怪物。なぜ、そこからあのコースに打てるのか!と思わせる打ち分けの技術、ミドルらしからぬジャンプサーブの安定感、さらにレシーブ力も高い。ここまで完成度の高い選手は世界レベルでも数えるほどしかいません。アメリカ代表が世界ランキングを維持するためになくてはならない存在です。

デービッド・スミス選手は2012年にアメリカ代表に選出されると、3大会連続でオリンピックに出場し、2016年のリオデジャネイロ五輪では銅メダルを獲得。2018年の世界選手権でも銅メダル、2022年にはチームの中心的な存在としてネイションズリーグ準優勝に貢献し、ベストミドルブロッカー賞に輝きました。デービッド・スミス選手は生まれた時から難聴を抱えており、常に補聴器を付けて生活をしています。バレーボールをプレーするのに大変な苦労があったそうですが、恵まれた体格とセンスに加え、努力を積み重ねたことでアメリカを代表するようなミドルブロッカーになるまで登り詰めました。アメリカ代表ではラリー中にデービッド・スミス選手が大きな声で意思表示をしたらそのボールはデービッド・スミス選手のものとする。という「デービッド・スミスルール」というものまであるそうです。

現在は40歳と大ベテランとなり、身体的なピークは過ぎてはいますが、十分すぎる程の経験値とバレーボールセンスでこれからも第一線で活躍すること間違いなしです!

デービッド・スミス選手のプロフィール

出身地アメリカン合衆国・ロサンゼルス
生年月日1985年5月15日
身長/体重201㎝/91kg
最高到達点/ブロック3m48㎝/3m30cm
利き腕
所属チームZAKSAケンジェジン・コジレ(プルスリーガ)
五輪出場歴(メダル)リオデジャネイロ(銅)・パリ(銅)

デービッド・スミス選手のスーパープレー集

4位‗小野寺 大志選手

4位は日本が誇る世界レベルのミドルブロッカー「小野寺 大志(おのでら たいし)」選手。これまでも素晴らしい日本人ミドルブロッカーが輩出されてきてはいますが、小野寺選手ほど、身体能力・得点能力・ブロックのセンス・サーブの安定感など、ミドルブロッカーに必要な能力を高いレベルで兼ね備えていた選手はいないと思います。特に素晴らしいのがバレーIQの高さ。大きくてそれなりに動ける選手はたくさんいますが、冷静沈着に試合の状況や流れ、相手セッターが考えていること、スパイカーの癖などを総合的に判断しながらプレーできる選手はそうそういません。日本代表が強豪国と戦えている理由の1つは小野寺選手の貢献があるからだと言っていいでしょう。

小野寺選手は2015年年に全日本男子バレーボール代表に初招集されると、2017年のワールドリーグで初出場を果たします。それ以降、東京五輪・パリ五輪への出場。ネイションズリーグでも、メダル獲得への貢献などを通じて、代表でも欠かせない選手となっています。クラブでは、2018年4月に「JTサンダーズ広島」に入部。入部時にはすでに国内トップレベルのミドルブロッカーと評価されていた小野寺選手は1年目からチームの中心選手として定着。「3年連続でV.LEAGUEベスト6選出」。さらに2「年連続でブロック賞を受賞」。2019-20シーズンには「スパイク賞とブロック賞の2冠を達成」。さらなる成長を求め2023‐24シーズンからはサントリーサンバーズに移籍。高橋 藍選手などと共にSVリーグ2024‐25シーズンで念願のリーグ優勝を果たします。

2025年時点で29歳の小野寺選手にとって、2028年のロサンゼルス五輪はキャリアの集大成となるでしょう。世界の怪物達と対等以上に戦えるミドルブロッカーであり、現在の史上最強と言われる全日本男子バレーボール代表の一角を担ってきた小野寺 大志選手。彼がメダルを獲得することを期待してしまいますね!

小野寺 大志選手のプロフィール

出身宮城県名取市
生年月日1996年2月27日
身長/体重202㎝/97kg
最高到達点/ブロック3m50㎝/3m25cm
利き腕
所属チームサントリーサンバーズ大阪(SVリーグ)
五輪出場歴(メダル)東京・パリ

小野寺 大志選手のスーパープレー集

3位‗マウテシュ・ビエニエク選手

3位はミドルブロッカー№1のビックサーバー「マウテシュ・ビエニエク」選手。208㎝の長身を生かした高い打点からのスパイク、圧倒的なブロックの対応範囲も世界最高峰ではありますが、特にサーブがすごいです。一般的にミドルブロッカーはアウトサイドヒッターやオポジットと比べるとサーブは強くありません。なので、基本的にはエースを狙うというよりフローター系のサーブでコースを狙っていくのが通常。ですが、マウテシュ・ビエニエク選手はハイブリッドサーブ(ジャンプサーブとフローターサーブの中間的なサーブ)でガンガン得点を狙ってきます。最高速度は驚異の117キロ。ハイブリッドサーブはジャンプサーブほど綺麗に回転がかからず、揺れるように落ちてくるサーブです。117キロの変化するサーブをレセプションするのは至難の業だと思います。

マウテシュ・ビエニエク選手は2015年にポーランド代表として、欧州選手権に出場すると以降、代表メンバーとして定着します。2016年はリオデジャネイロ五輪に出場、2018年には世界選手権での金メダルに貢献。2021年にはネイションズリーグでベストミドルブロッカー賞を受賞する活躍を見せ、準優勝に貢献。同年に東京五輪にも出場。翌年のネイションズリーグでもベストミドルミドルブロッカーに選出。同年の世界選手権でもベストミドルブロッカー賞を受賞し、2024年にはパリ五輪の銀メダル獲得に貢献。世界ランキング1位の超強豪国であるポーランドで不動のミドルブロッカーとして活躍しています。

ミドルブロッカーとして前衛でスパイク・ブロックで勝利に貢献することができる選手は数多くいますが、サーブでここまで貢献できるミドルブロッカーはいません。ミドルブロッカーとして超一流の実力を持ちながら、さらにビックサーバーであるマウテシュ・ビエニエク選手は世界最高峰のミドルブロッカーであると言っていいでしょう!

マウテシュ・ビエニエク選手のプロフィール

出身ポーランド・ブラホブニャ
生年月日1994年4月5日
身長/体重208㎝/98kg
最高到達点/ブロック3m51㎝/3m26cm
利き腕
所属チームPGEスクラ・ベウハトゥフ(プルスリーガ)
五輪出場歴(メダル)リオデジャネイロ・東京・パリ(銀)

マウテシュ・ビエニエク選手のスーパープレー集

2位‗二コラ・ルゴフ選手

2位はフランス代表の世界№1ブロッカー「二コラ・ルゴフ」選手。圧倒的なフィジカルを誇りスパイク・サーブともに強烈ですが、なんと言ってもブロックがすごい。最高到達点はなんと驚異の3m65㎝。ただし、ブロックが高いだけではありません。手の出し方、形、相手セッターとスパイカーの心理を読む技術に加えて、トスについていく俊敏性とスパイクに弾かれることのないフィジカル。彼のブロックを見ていると「すごい」というより、「理不尽」という言葉の方がしっくりきてしまいます。日本代表がフランスと対戦した際には石川 祐希選手が徹底的にマークされ、何度も二コラ・ルゴフ選手のブロックに弾き返されてしまいました。

二コラ・ルゴフ選手は2021年の東京五輪と2024年のパリ五輪に連続で出場すると2大会連続での金メダル獲得に貢献。ワールドリーグ、ネイションズリーグ、欧州選手権での金メダル獲得にも貢献しており、フランス代表の黄金期を支える一人です。また、個人としても2024年のネイションズリーグでベストミドルブロッカー賞を受賞するなど、輝かしいキャリアの持ち主です。現在、33歳とベテランの域に達してはいますが、若手が台頭してきても二コラ・ルゴフ選手を超えることは非常に困難だと思います。引退するその日まで代表で活躍するような選手であり、次のロサンゼルス五輪でも活躍しているのではないでしょうか?

二コラ・ルゴフ選手のプロフィール

 

出身フランス・パリ
生年月日1992年2月15日
身長/体重207㎝/112kg
最高到達点/ブロック3m65㎝/3m45cm
利き腕
所属チームモンペリエ・バレー(フランスリーグ)
五輪出場歴(メダル)東京(金)・パリ(金)

二コラ・ルゴフ選手のハイライト動画

1位‗ヤクポ・コハノフスキ選手

1位はミドルブロッカーの完成形「ヤクポ・コハノフスキ」選手。ブロックの高さと完成するまでのスピード、スパイクコースの選択肢の多さとパワー、サーブの威力、二段トスなどの繋ぎの安定感。パワー・スピード・技術・経験のあらゆる面で文句の付けようがありません。しかもヤクポ・コハノフスキ選手は2025年時点で28歳。身体的な能力を維持しながら経験も積んでおり、年齢的にもアスリートとして最高の状態ではないでしょうか。最強国ポーランドでも不動のミドルブロッカーと言っても良い選手ですね。

ヤクポ・コハノフスキ選手は2017年にアンダーカテゴリー(U21)代表として世界選手権で優勝してMVPを受賞。翌年の2018年にはポーランド代表として世界選手権での優勝に貢献。2021年には東京五輪、2024年にはパリ五輪に出場すると銀メダルを獲得。2023年のネーションズリーグではベストミドルブロッカー賞を受賞する活躍を見せてポーランド代表を優勝に導くと、翌年のネイションズリーグでもベストミドルブロッカー賞を受賞します。

現在、ヤクポ・コハノフスキ選手は間違いなく世界最高峰のミドルブロッカーです。まだ28歳という年齢ですので、これからも世界№1にふさわしいプレーを見せ続けてくれると思います。次回のロサンゼルス五輪では石川 祐希選手や西田 有志選手とメダルをかけたマッチアップをぜひ見てみたいですね!

ヤクポ・コハノフスキ選手のプロフィール

出身ポーランド・ギジツコ
生年月日1997年7月17日
身長/体重199㎝/84kg
最高到達点/ブロック3m60㎝/3m42cm
利き腕
所属チームプロジェクト・ワルシャワ(プルスリーガ)
五輪出場歴(メダル)東京・パリ(銀)

ヤクポ・コハノフスキ選手のスーパープレー集

まとめ

今回紹介した世界最強のミドルブロッカーランキングはいかがでしたでしょうか?バレーボールファンの方からしたら、「いや。あの選手を入れるべきだ!」とか「順位を変えた方がいい!」などのご意見もあるかもしれませんが、紹介した5名の選手が世界最高峰であることに間違いはありません。トップレベルのミドルブロッカーは背が高いだけでなく、パワーも技術もスピードも兼ね備えているということがよくわかりますよね。しかし、そんな中でも小野寺 大志選手はTOP5に入るミドルブロッカーだと思います。小野寺 大志選手をはじめ「石川祐希選手」「西田有志選手」などなど、世界と対等以上に戦える選手がこれからもどんどん日本代表から輩出されて欲しいですね!

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