ここ最近、国内での男子バレーボール人気が再燃しています。理由は単純で、バレーボール男子日本代表が強いから。今の日本代表には誰もが認める日本のエース「石川祐希選手」や圧倒的なパワーと確かな技術を兼ね備えた「西田有志選手」などをはじめ、世界と対等以上に戦える選手が数多く育ってきおり、史上最強といっても過言ではないと思います。
一方で、世界にも凄い選手は沢山います。バレーボール男子日本代表が世界と対等に戦えるレべルにいる今だからこそ、世界にはどんな強者達がいるのかを紹介していきたいと思います。今回の記事では世界最強の選手を紹介していきたいと思いますが、ポジションの違う選手を比較することが難しいので、今回はランキング形式で世界最強のセッターを紹介していきます!※各選手のプロフィールは2024年12月時点のものです。
■目次
・1位‗シモーネ・ジャネッリ選手(シル・サフェーティ・ペルージャ/セリアA)
・2位‗マイカ・クリステンソン選手(ゼニト・カザン/スーパーリーグ)
・3位‗アントワーヌ・ブリザール選手(ピアチェンツァ/セリアA)
・4位‗関田 誠大選手(ジェイテクトスティングス愛知/SVリーグ)
・5位‗ベンジャミン・トニッウティ選手(ヤストシェンブスキ/プルスリーガ)
世界最高峰の実力と実績を兼ね備えたセッターを紹介・解説していきますので、ぜひチェックしてみてください。
・1位‗シモーネ・ジャネッリ選手
1位はイタリアが誇る超攻撃型セッター「シモーネ・ジャネッリ」選手。強豪国であり多くのタレントを有するイタリア代表をまとめ上げている主将。柔らかなハンドリングとトスワークで相手ブロックを翻弄する技術を持ちながら、高い打点からのツーアタックや隙をつくような返球で自らも得点を取れるセッター。世界レベルの試合において、自らの力で流れを変えてしまうことができるシモーネ・ジャネッリ選手はチートと言えるでしょう。
実績も凄まじく、2015年にイタリア代表に初招集されると、同年のワールドカップで正セッターを任されて銀メダルを獲得。翌年2016年にはワールドリーグでベストセッター賞を受賞。2017年のワールドグランドチャンピオンズカップ(グラチャン)で銀メダルを獲得し、ベストセッター賞を受賞。2022年の世界選手権で金メダルを獲得し、ジャネッリ自身も大会MVPとベストセッター賞を受賞しています。また、クラブチームでもセリアAのトレンティーノ・バレーで2度、シル・サフェーティ・ペルージャでも2度のリーグ制覇を果たしており、2023年には世界クラブ選手権で優勝もしています。
セッターに必要なトスの正確性・高い戦術理解に基づくトスワークを備えていながら、得点能力とブロックまで高性能。まさに世界最強のセッターに相応しい選手です。2024-25シーズンからは日本バレーボール界の至宝こと石川祐希選手がペルージャに移籍するので、世界№1セッターと石川祐希選手の競演が楽しみでなりません。
シモーネ・ジャネッリ選手のプロフィール
出身地 | イタリア・ボルツァーノ |
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生年月日 | 1996年8月9日 |
身長/体重 | 200㎝/92kg |
最高到達点/ブロック | 3m50㎝/3m30cm |
利き腕 | 右 |
所属チーム | シル・サフェーティ・ペルージャ(セリエA) |
五輪出場歴(メダル) | リオデジャネイロ(銀)・東京・パリ |
シモーネ・ジャネッリ選手のスーパープレー集
2位‗マイカ・クリステンソン選手
2位はアメリカ代表の超高速バレーを司る世界屈指の司令塔「マイカ・クリステンソン」選手。圧倒的な火力を誇るアメリカの心臓部であり、世界最高峰のセッター。1位はジャネッリ選手とクリステンソン選手でかなり悩みました。クリステンソン選手もジャネッリ選手と同様にサーブ・ツーアタックで自ら流れを変えてしまうセッター。198㎝の高さと両利きというハイスペックな性能に加えて、変幻自在のトスワークで見ている人を魅了します。
代表デビューも華々しく、2013年にアメリカ代表として北中米選手権でベストセッター賞とベストサーバー賞を受賞する活躍を見せると、翌年のワールドリーグでも優勝。リオデジャネイロ五輪とパリ五輪で銅メダルを獲得します。クラブでは2018年からセリアAの名門モデナ・バレーに所属し、2021年からはロシア(スーパーリーグ)のゼニト・カザンで中心選手として活躍し続けています。
セッターは司令塔という役割からどうしてもアタッカーよりも目立つことは少ないですが、マイカ・クリステンソン選手のプレーは普通のセッターにはない「華」があります。アタッカーよりも見る人を惹きつけるようなプレーをするのにアタッカーの能力を最大限引き出すようなセットアップを魅せる。まさにセッターの理想形と言える選手です。
マイカ・クリステンソン選手のプロフィール
出身 | アメリカ・ハワイ州 |
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生年月日 | 1993年5月8日 |
身長/体重 | 198㎝/88kg |
最高到達点/ブロック | 3m49㎝/3m27cm |
利き腕 | 両利き |
所属チーム | ゼニト・カザン(スーパーリーグ) |
五輪出場歴(メダル) | リオデジャネイロ(銅)・東京・パリ(銅) |
マイカ・クリステンソン選手のスーパープレー集
3位‗アントワーヌ・ブリザール選手
3位は東京・パリオリンピックを制したフランス代表のセッター「アントワーヌ・ブリザール」選手。ジャネッリ選手やクリステンソン選手と同様に長身のセッターですが、ブリザール選手の魅力はトスの質。緩やかな軌道なのにスパイカーの打点までしっかり伸びてくるトスで非常に打ちやすく、スパイカーに余裕を与えています。手首の使い方が柔らかくトスの質がいいのに加えて、セットアップの位置が高いので相手ブロッカーは迷ってしまう。相手からすればとてもやっかいなセッターですね。また、ブリザール選手の驚異的なところはセッターなのにサーブで得点を取れるということ。ブリザール選手のサーブの最高時速は125キロ。これは、日本代表のエース「西田有志選手」のサーブに匹敵します。エース級のサーブを放つセッターということです。
フランス代表では多くの金メダルを獲得しており、2017年のワールドリーグ・2020年の東京オリンピック・2022年のネイションズリーグ。2024年にはパリオリンピックとネイションズリーグで金。2024年のネイションズリーグではベストセッター賞も受賞。代表に選出されてからたったの8年で5度もフランスの世界一に貢献しています。
世界最高峰の美しいトスを上げるブリザール選手を手本とするセッターは数多くいますが、同じステージで戦っている関田誠大選手もその一人。一流選手でも手本にするほどのトスとセッターらしからぬサーブにぜひ注目してみてください。
アントワーヌ・ブリザール選手のプロフィール
出身 | フランス・ポワチエ |
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生年月日 | 1994年5月22日 |
身長/体重 | 196㎝/96kg |
最高到達点/ブロック | 3m40㎝/3m10cm |
利き腕 | 右 |
所属チーム | ピアチェンツァ(セリエA) |
五輪出場歴(メダル) | 東京(金)・パリ(金) |
アントワーヌ・ブリザール選手のスーパープレー集
4位‗関田 誠大選手
4位は男子バレーボール日本代表を率いる「関田誠大選手」。日本代表が世界と対等に戦える理由の一つは関田選手と言っても過言ではないでしょう。身長はここまで紹介してきた選手と比較するとかなり小柄な175㎝ですが、相手のブロックを置き去りにするトスワークとリベロと遜色ないディグ(強打レシーブ)の技術は世界最高峰。この場面でそこに上げるのか!というコンビを試合の大事な場面で選択し、平然と成功させてしまう度胸と技術の高さは本当にすごいと思います。身長は低いですが反射神経や瞬発力に優れており、セットアップのスピードがとにかく速い。なので、早くボールの落下地点の到着して相手のブロックを見る時間を作ることができる。背の低さを感じさせない運動性能を持っている選手です。
2016年に日本代表としてリオ五輪アジア最終予選のメンバーに選出され、2019年にワールドカップ、21年に東京オリンピックに主力として出場。24年にはパリオリンピックでのベスト8入りに貢献しています。
アイディアと技術力で相手を翻弄する「まさに日本人が理想とすべきセッター」である関田選手。彼が率いる日本代表がロサンゼルスオリンピック2028でメダルを獲得する可能性は大いにあると思います。
関田 誠大選手のプロフィール
出身 | 東京都江東区 |
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生年月日 | 1993年11月20日 |
身長/体重 | 175㎝/71kg |
最高到達点/ブロック | 3m24㎝/3m20cm |
利き腕 | 右 |
所属チーム | ジェイテクトSTINGS愛知(SVリーグ) |
五輪出場歴(メダル) | 東京・パリ |
関田 誠大選手のハイライト動画
5位‗ベンジャミン・トニッウティ選手
5位はフランス代表の黄金時代を支えてきた「ベンジャミン・トニウッティ選手」。個性豊かで我の強いアタッカーたちを操り、低迷していたフランス代表を再び強豪国として復権させました。アントワーヌ・ブリザール選手の魅力は抜群のバレーボールセンスとギリギリまでボールを引き付ける柔らかいハンドリング。トスを上げる瞬間までどこにボールが飛ぶがわからず、2m級のブロッカー達でさえ置き去りにされていまいます。タイプとしては4位の関田選手と似ており、バレーボール選手としての全体的な能力に優れています。小柄ではありますが技術・身体能力・センスを兼ね揃えておりブリザール選手が台頭してくるまではフランス代表の不動の正セッターを任されていました。
トニウッティ選手は2007年にアンダーカテゴリー(U-18 )の代表としてデビューし、欧州選手権で優勝。さらにベストセッター賞も受賞するエリート選手。2010年にシニア代表に選ばれ徐々に戦績を伸ばしていきます。2012年にワールドリーグで7位。2013年に欧州選手権で5位。そして2015年のワールドリーグでが母国フランスを初の金メダルに導き、自身もベストセッター賞を受賞。そこから2017年のワールドリーグでも金メダル、2018年のネーションズリーグで銀。東京オリンピックでは金。2022年のネーションズリーグでも金を獲得し、フランス代表の黄金時代を築き上げます。
2024年時点で35歳とバレーボール選手としてのピークは過ぎていますが、全盛期は間違いなく世界№1セッターの候補の一人とされるような選手でした。いまでも圧倒的なバレーセンスと天性のハンドリング。そしてフランス代表を世界一に導いた豊富な経験を持つ、素晴らしいセッターの一人です。
ベンジャミン・トニウッティ選手のプロフィール
出身 | フランス・ミュルーズ |
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生年月日 | 1989年10月30日 |
身長/体重 | 183㎝/72kg |
最高到達点/ブロック | 3m20㎝/3m00cm |
利き腕 | 右 |
所属チーム | ヤストシェンブスキ(プルスリーガ) |
五輪出場歴(メダル) | 東京(金)・パリ(金) |
ベンジャミン・トニウッティ選手のスーパープレー集
まとめ
今回紹介した世界最強のセッターランキングはいかがでしたでしょうか?バレーボールファンの方からしたら、「いや。あの選手を入れるべきだ!」とか「順位を変えた方がいい!」などのご意見もあるかもしれませんが、紹介した5名の選手が世界最高峰であることは間違いありません。世界のトップ選手はセッターでありながら、高さもパワーもある得点能力を兼ね備えた選手が多いですね。しかし、そんなトレンドの中でも関田選手はTOP5に入るセッターだと思います。関田選手をはじめ「石川祐希選手」「西田有志選手」などなど世界と対等以上に戦える選手がこれからもどんどん輩出されて欲しいですね!
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