Knowledge

オポジットの役割とは?日本の有名選手も紹介【バレーボール】

【オポジットがどんなポジションなのか知りたい人】

「オポジットって、アウトサイドヒッターと何が違うの?どんな役割のポジションなの?有名な選手はいるの?自分もオポジットに挑戦できるかな?とにかくオポジットについて、わかりやすく教えて欲しい!」

 

そんな人に向けて、今回はバレーボールのオポジットというポジションがどんな役割を持っているのかの解説と日本が誇る有名なオポジットの選手を紹介していきたいと思います。オポジットは特別なポジションなので、他のポジションとは違う面白さがありますよ。

■コンテンツ

・オポジットの役割とは?

・日本代表を代表するオポジットの選手を紹介

・オポジットに求められる素質とは?

今回の記事では、「オポジットの役割とは?」「日本を代表するオポジットの選手を紹介」「オポジットに求められる素質とは?」の3つを解説していきたいと思います。5分程で読み終える記事なので、オポジットに興味がある人。ちょっと挑戦してみようかな?と思っている人はぜひチェックしてみて下さい。

・オポジットの役割とは?

・オポジットの役割とは?

オポジットとは英語で「対角」を意味します。単語の意味の通り、バレーボールのオポジットは「セッターの対角」に位置する選手のことを指します。オポジットというポジションは守備にほとんど参加しない攻撃の専門家であり、スーパーエースと呼ばれる存在です。そんなオポジットの役割は、「チームの得点源」「二段トスへの対応」「攻撃的なサーブ」の3つです。

チームの得点源

攻撃の専門家であるオポジットはチームで最も得点を期待されるポジション。ブロック以外の守備にほとんど参加しないのだから当然かもしれませんが高い攻撃力(決定率)を求められます。スパイクを打つ本数はアウトサイドヒッターやミドルブロッカーと比べると多い場合がほとんど。オポジットの決定率が低いということはそれだけ、得点の機会を多く失っているということです。得点が決まらないということはゲームに勝てないということになります。また、ゲームの序盤・チームが劣勢で流れを変えたい時・勝敗を決するような場面など、苦しい時や勝負を決める大切な場面でセッターが選択するのはオポジットへのトスです。窮地を救いチームを勝利に導く得点源となるのがオポジットということですね。

二段トスへの対応

ここまで、解説してきた通りオポジットは「攻撃専門」であり「チームの得点源」となるポジションです。なので、常にいいトスばかりが上がってくるわけではなく、二段トスなどの難しいトスもオポジットに集まってきます。平たく言うと「困ったら取り敢えずオポジットにトスを上げよう」ということですね。二段トスはとにかく打てばいい。というものではなく、二段トスの難易度によって得点を狙う強打(スパイク)を打つのか?入れるだけの軽いスパイクでリスクを避けるのか?フェイントでブロックを躱すのか?の選択を迫られます。難しい二段トスでもしっかりと打ち切れる技術と、二段トスの精度や状況によってリスクを避けたプレーも選択できる冷静な判断力が求められます。オポジットとしての経験値が大切になってくる訳ですね。二段トスの打ち方をわかりやすく解説している動画があるので、参考までに貼っておきます。

攻撃的なサーブ

攻撃のスペシャリストであるオポジットはサーブでの得点も期待されます。現代バレーボールにおいて、「どれだけサーブで主導権を握れるのか」は勝敗を決める重要な要素。男子バレーボール日本代表が強豪国と対等に戦えるようになった理由の1つは「サーブの質が高くなっている」から。と言えるでしょう。日本代表だと特に西田有志選手や石川祐希選手はサーブで得点を狙える選手ですね。オポジットに挑戦しようと思っている人は、まずジャンプサーブを打てるようになることにトライをしてみて下さい。安定して強いジャンプサーブを打てるようになると2段トスを打つ能力も高くなります。

ここまで解説してきた通り、オポジットは守備の役割を免除されるかわりに「いつ・いかなる時」でも得点を取ることを期待されるポジションです。高い攻撃力と得点を取るための嗅覚が求められる「点取り屋」として活躍が役割になります。

・日本代表を代表するオポジットの選手を紹介

・日本代表を代表するオポジットの選手を紹介

これまでの日本代表は高い組織力とそれをベースとした守備には定評がありましたが、日本人のフィジカルでは世界の強豪国と互角に戦うのは難しいと言われてきました。特に男子は純粋な「背の高さ」・「ジャンプ力の高さ」・「力の強さ」などの攻撃力に大きな差があり力負けすることが多かったです。しかし、近年、世界レベルのオポジットと互角以上に打ち合える選手が現れ、これまで日本代表が勝てなかった強豪国に白星を上げられるようになってきています。そんな男子日本代表の救世主となったオポジットを紹介してみたいと思います。

パナソニックパンサーズ‗西田有志選手

西田選手は海星高校卒業後、ジェイテクトSTINGSに入団。イタリアリーグ(ヴィボ・ヴァレンシア)を経験した後、現在はパナソニックパンサーズで活躍している選手です。ジェイテクトSTINGS入団1年目の2018年から日本代表に選出されており、ネーションズリーグやFIVBワールドカップ、東京オリンピックに出場。何度もチームの窮地を救ってきた日本を代表する点取り屋です。

西田選手が特に優れているのがスイングスピード」です。西田選手は186㎝と、トップ選手の中では決して大きい方ではありません。むしろ、海外の大型選手と比較すると背の低い選手です。そんな西田選手が2m近い選手のブロックを相手に得点を量産できている理由が「スイングスピード」です。圧倒的なスイングスピードで相手のブロックが完成する前にボールを打ち込むことに加え、鋭い腕の振りはそのままスパイクの力強さとなります。中途半端なブロックに当たればブロックアウト。ブロックを抜けたら力強いスパイクでレシーバーを吹き飛ばす。これまでの日本代表に欠けていた攻撃力(決定力)を補って余りある選手ですね。

Paris Volley‗宮浦健人選手

宮浦選手は早稲田大学出身で全日本インカレを4連覇しているスーパーエリート。2021年にジェイテクトSTINGSに入団すると翌年22年にポーランドリーグ(PSGスタル・ニサ)に移籍。その翌年の23年にはフランスリーグ(パリ・バレー)に挑戦をしています。2021年に日本代表登録メンバーに選出されますが、東京オリンピックへの出場は叶わず。しかし同年のアジア選手権に出場するとベストオポジットを受賞しています。

宮浦選手は西田選手と同世代。10代の頃からライバルとして鎬を削ってきた仲です。西田選手とは全く違うタイプの選手で、西田選手を「動」とするなら宮浦選手は「静」の選手。常に冷静で落ち着いており、広い視野を持っている選手です。ブロックや相手レシーバーのことも良く見ていて、相手の状況に合わせて多彩なコースに打ち込むことができます。コースを打ち分ける技術もさることながら、調子に波が無く安定したプレーで常にコートで活躍できることが宮浦選手の強み。高い技術レベルと視野の広さを兼ね揃えた玄人好みの職人系のオポジットです。

・オポジットに求められる素質とは?

・オポジットに求められる素質とは?

オポジットは力強いスパイクや速いサーブが打てる。などの攻撃力を求められますが、それだけでは充分ではありません。重要な素質は「気迫」「柔軟思考」「厚かましさ」の3つ。日本を代表するオポジットの選手にも学生カテゴリーで活躍しているオポジットの選手にも必ず備わっています。要は、どのレベルやカテゴリーで活躍しているかを問わず、優秀なオポジットは共通して「3つの素質」を兼ね揃えているということです。

絶対に点を取るという気迫

オポジットは勝利を決する大事な場面やチームが苦しい時にこそ、トスが上がり得点を決めることを求められるます。もちろん、そういった状況でスパイクを決めるためにはコースの打ち分けや打点の高さなどの技術的・身体的な能力も重要ですが、もっと重要なのが「点を必ず取る」という気迫です。オポジットはチームのエースなので、相手ブロッカーが自分よりも大きくても相手が格上でも強い気持ちで戦うことが大切。また、気迫を込めたプレーはチームの士気あげ、相手の気持ちを折ります。そうしてチームに「流れ」「勢い」をもたらすこともエースであるオポジットとしての大切な素質です。

柔軟な思考

オポジットは攻撃専門のポジションなので、とにかく強いスパイクを打っているイメージがあるかもしれませんが、それではレベルの高い対戦相手には通用しません。オポジットは様々なトスが上がってきます。キレイな打ちやすいトスもあれば、二段トスでネットに近いボールや少し離れているトスなど。色々なトスが上がってくるのになんでもかんでも思い切りスパイクを打ってしまうとミスも増えてしまい、結果的にチームも窮地に追いやってしまいます。常に得点を狙いつつ、トスの軌道・相手のブロック・自分の状態によって、スパイクを打つの辞める判断もしっかりできることが重要です。点取り屋としての役割を果たすためには強打ばかりではなく、状態が悪い時はフェイントやブロックアウトでの得点を狙える柔軟な思考が大切です。

ミスを気にしない厚かましさ

日本代表や世界で活躍する名オポジットでも必ずミスをします。大切なことはミスをゲーム中に自分の力に変えられるかどうかです。特にオポジットはチームの主砲。オポジットの心が折れてしまうとチーム全体の士気が下がります。何度スパイクをブロックされても、どれだけスパイクが決まらなくてもすぐに次のプレーのことだけを考えられる「不敵さ」「厚かましさ」が重要。過去の失敗に囚われず、どうやったら点を取れるかだけを考えられるオポジットは頼もしいですよね。

まとめ:オポジットは敵を打ち砕く点取り屋

オポジットは、攻撃専門の点取り屋です。高い攻撃力と不屈の闘志が求められます。オポジットが得点を取れないと、チームはラリーで打ち勝つことが出来ずに常に苦しいゲーム展開を強いられてしまいます。重要なポジションなだけにプレッシャーもありますが、チームの窮地を救うことができた時勝利を力づくで引き寄せるスパイクを放った時はなんとも言えない快感を感じることが出来ます。

今回、紹介したオポジットの「役割」「活躍している選手」。求められる「素質」を読んでみて、もし興味が沸いたら、ぜひオポジットに挑戦してみてください。

コメントやご質問がある方は、ぜひ、Twitterにメッセージをください。