ここ最近、国内での男子バレーボール人気が再燃しています。理由は単純で、バレーボール男子日本代表が強いから。今の日本代表には誰もが認める日本のスーパーエース「石川祐希選手」や圧倒的なパワーと確かな技術を兼ね備えた「西田有志選手」などをはじめ、世界と対等以上に戦える選手が数多く育ってきおり、史上最強といっても過言ではないです。
一方で、世界にも凄い選手は沢山います。バレーボール男子日本代表が世界と対等に戦えるレべルにいる今だからこそ、世界にはどんな強者達がいるのかを紹介していきたいと思います。今回の記事では世界最強のオポジット達を紹介していきたいと思います。オポジットはチームの点取り屋的なポジションなので、世界最強のオポジットは最高峰のスパイカーと言えるのではないでしょうか。今回はそんなスーパーエース達をランキング形式で紹介していきます!※各選手のプロフィールは2025年5月時点のものです。
5位‗ダルラン・フェレイラソウザ選手
5位はブラジルの若きスーパーエース「ダルラン・フェレイラソウザ選手」。身体能力が高い選手が多いブラジル代表の中でも特にジャンプ力とパワーに優れている選手です。力強いサーブと滞空時間の長いジャンプからのスパイクが特徴。若干22歳の若手ではあるものの経験不足を補って余りある勢いをもっている選手です。
実は日本のアニメ・漫画カルチャーが大好きなことを公言しているダルラン・フェレイラソウザ選手。そんなダルラン選手の腕には、日本語で「思い出なんかいらん」というタトゥーがデザインされています。これはバレーボール漫画『ハイキュー!!』の中で、主人公の所属する高校のライバル校である稲荷崎高校の横断幕に記されていることで有名な言葉です。そんなダルラン選手が2018年にスーパーリーガ(ブラジル)のSESIサンパウロでトップリーグデビューを果たすとブラジルU19代表として南米選手権MVPを獲得。2022年にブラジル代表に初選出されると、パンアメリカンカップでベストオポジット賞、ベストサーバー賞を獲得。2024年にはスーパーリーガ準決勝でチームは敗退したものの、41得点をたたき出してクラブ持っていた40得点の記録を塗り替えてしまいます。同年のスーパーリーガではMVP、ベストオポジット賞を獲得し、国内リーグでは最高レベルのオポジットと評価されています。
攻撃力の高い選手が多いスーパーリーガで最高峰のオポジットと評価される能力に加えて、若干22歳という若さ。ポテンシャルの固まりのような選手だと思います。彼がブラジル最高峰ではなく、世界最高峰のオポジットと言われる日も遠くないでしょう。
ダルラン・フェレイラソウザ選手のプロフィール
出身地 | ブラジル・リオデジャネイロ |
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生年月日 | 2002年6月24日 |
身長/体重 | 193㎝/103kg |
最高到達点/ブロック | 3m63㎝/3m33cm |
利き腕 | 右 |
所属チーム | SESIサンパウロ(スーパーリーガ) |
五輪出場歴(順位) | パリオリンピック(8位) |
ダルラン・フェレイラソウザ選手のスーパープレー集
4位‗西田 有志選手
2位は日本を代表する点取り屋「西田 有志選手」。長年、決定力不足に悩んでいた日本代表に現れた救世主です。特に優れているのが「スイングスピード」。西田選手は186㎝と、トップ選手の中では決して大きい方ではありません。むしろ、海外の大型選手と比較すると背の低い選手です。そんな西田選手が2m近い選手のブロックを相手に得点を量産できている理由が「スイングスピード」です。圧倒的なスイングスピードで相手のブロックが完成する前にボールを打ち込むことに加え、鋭い腕の振りはそのままスパイクの力強さとなります。中途半端なブロックに当たればブロックアウト。ブロックを抜けたら力強いスパイクでレシーバーを吹き飛ばす。これまでの日本代表に欠けていた攻撃力(決定力)を補って余りある選手ですね。
西田選手は海星高校卒業後、ジェイテクトSTINGSに入団。イタリアリーグ(ヴィボ・ヴァレンシア)を経験した後、現在は大阪ブルテオン(旧パナソニックパンサーズ)で活躍している選手です。ジェイテクトSTINGS入団1年目の2018年から日本代表に選出されており、ネーションズリーグやFIVBワールドカップに出場。東京オリンピック・パリオリンピックでの活躍で世界レベルのオポジットであることを証明しました
史上最強とも言われている男子バレーボール日本代表の中核であり、各国の強力なオポジット達と対等に打ち合える貴重な日本人選手です。西田 有志選手のパワーと気迫がこれからも日本代表をけん引してくれるでしょう!
西田 有志選手のプロフィール
出身地 | 三重県いなべ市 |
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生年月日 | 2000年1月30日 |
身長/体重 | 186㎝/89kg |
最高到達点/ブロック | 3m50㎝/3m30cm |
利き腕 | 左利き |
所属チーム | 大阪ブルテオン(SVリーグ) |
五輪出場歴(順位) | 東京オリンピック(7位)・パリオリンピック(7位) |
西田 有志選手のスーパープレー集
3位‗トンチェク・シュテルン選手
3位はスロベニア代表の大型オポジット「トンチェク・シュテルン選手」。2メートルの巨体から繰り出される破壊力抜群のスパイクで相手を圧倒します。トンチェク・シュテルン選手は世界トップレベルのパワータイプですが、豊富な経験からくる落ち着きやコースへの打ち分けなどの技術力も素晴らしい選手。また、サービスエースも量産することができるので得点能力に非常に長けています。その証拠に24年のネイションズリーグでは得点王にもなっており、実力・経験・実績ともに文句なしのトップレベルです。
トンチェク・シュテルン選手は2013年からTOPリーグデビューしており、スロベニア代表でも2019年、21年にヨーロッパ選手権で準決勝に導く活躍を見せています。2025年からスロベニアリーグの超名門クラブであるAACHバレーリュブリャナに移籍。同クラブは2005年から2020年までの16連覇を含めて、国内リーグを21回制覇しており現状国内では最強のクラブチームと言えるでしょう。
世界トップクラスのパワーでスロベニア代表をパリオリンピックに導いたトンチェク・シュテルン選手は、現在(2025年5月時点)29歳。おそらく2028年のロサンゼルスオリンピックがキャリア最後の目標となります。集大成としてトンチェク・シュテルン選手が率いるスロベニア代表がどんな躍進を見せるのか要注目です!
トンチェク・シュテルン選手のプロフィール
出身 | スロベニア |
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生年月日 | 1995年11月14日 |
身長/体重 | 200㎝/93kg |
最高到達点/ブロック | 3m58㎝/3m40cm |
利き腕 | 右 |
所属チーム | ACHバレーリュブリャナ(DOL) |
五輪出場歴(順位) | パリオリンピック(5位) |
トンチェク・シュテルン選手のスーパープレー集
2位‗ジャン・パトリー選手
2位はフランス代表の黄金時代と未来を創る「ジャン・パトリー選手」。フランス代表のセッターと言えばベンジャミン・トウッティ選手やアントワーヌ・ブリザール選手。世界最高峰のセッターに最大限のパフォーマンスを引き出されることで、24歳という若さでフランスを代表するオポジットに成長しました。オポジットは経験や技術、メンタルが必要なポジションですが、若い世代から強豪国と鎬を削ってきたジャン・パトリー選手の完成度は非常に高いです。感情を表に出さず淡々と高い打点からの強烈なスパイク・コースを打ち抜くスパイク、軟打、サーブで得点を重ねていく様は相手からすれば恐怖以外の何物でもありません。28歳の今がフィジカルと経験、メンタルの全てが最も充実しており、最高の状態と言えるでしょう。
ジャン・パトリー選手は2020年の東京オリンピック、2024年のパリオリンピックで金メダル獲得という偉業に貢献し、2022年、2024年のネーションズリーグではベストオポジット賞に輝いています。特に2022年以降、コンディションが整っている状態のジャン・パトリー選手は手が付けられない程のパフォーマンスを見せてくれます。2023年まではパワーバレー・ミラノに所属しており、石川祐希選手のチームメイトでもありました、
フランスの黄金時代の立役者として、オリンピックで2連覇、ネーションズリーグでも2連覇を果たしているジャン・パトリー選手。世界最高峰のセッターとオポジットが率いるフランス代表を止められる国はどこか。それともロサンゼルスオリンピックもフランスがタイトルを奪うのか。今後のフランス代表に要注目ですね!
ジャン・パトリー選手のプロフィール
出身 | フランス・モンペリエ |
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生年月日 | 1996年12月27日 |
身長/体重 | 207㎝/94kg |
最高到達点/ブロック | 3m57㎝/3m34cm |
利き腕 | 右 |
所属チーム | Jastrzębski Węgiel(プルスリーガ) |
五輪出場歴(順位) | 東京オリンピック(金)、パリオリンピック(金) |
ベンジャミン・トニウッティ選手のスーパープレー集
1位‗二ミル・アブデルアシズ選手
1位はオランダ代表を低迷期から救った英雄「二ミル・アブデルアシズ」選手」。2012年に行われた欧州リーグでセッターとして出場。ベストサーバーとベストセッターを受賞する活躍で優勝に導いています。セッターとしての実績を持ちながら、現在は世界最高峰のオポジットとして活躍している異色のキャリアを持つ選手。二ミル・アブデルアシズ選手の優れているところは打点の高い強烈なスパイクと世界最強のサーブ。特にサーブは勢いに乗ると手がつけられません。2024年のネーションズリーグでのサービスエース数は34本。国際大会で30本以上のサービスエースを決めてしまうのは規格外としか言いようがありません。また、驚異的な得点力とクオリティをシーズン通して維持できるスタミナとメンタルはまさに世界№1。実際に2024‐25SVリーグではレギュラーシーズンで44試合に登録され、総得点(1181得点)、アタック決定率(57.5%)、サーブ効果率(17.7%)の3部門でタイトルを獲得しています。オポジットは多くの試合に出場し、多くのスパイクを打つことが求められるポジションです。二ミル・アブデルアシズ選手ほどシーズンを通して、高次元でパフォーマンスを維持できる選手はいないと思います。
二ミル・アブデルアシズ選手は2017年よりパワー・バレー・ミラノでプレーし、2020年よりトレンティーノ・バレー。2021年よりモデナ・バレーとセリエAのビッククラブでのキャリアを積み重ねています。また、代表では2021年にネイションズリーグに出場。予選ラウンドでベストサーバー賞、ベストアタッカー賞、得点王になる活躍を見せました。同年の欧州選手権でもベストオポジット賞に輝いています。
国際大会の舞台で多くの個人賞を獲得し、サーブ・スパイクで得点を量産する「絶対的エース」である二ミル・アブデルアシズ選手。彼が率いるオランダ代表が強豪国相手に暴れる姿に注目ですね!
二ミル・アブデルアシズ選手のプロフィール
出身 | オランダ・デン・ハーグ |
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生年月日 | 1992年2月5日 |
身長/体重 | 201㎝/90kg |
最高到達点/ブロック | 3m65㎝/3m50cm |
利き腕 | 右 |
所属チーム | ウルフドッグス名古屋(SVリーグ) |
五輪出場歴(順位) | 出場歴無し |
二ミル・アブデルアシズ選手のハイライト動画
まとめ
今回紹介した世界最強のオポジットランキングはいかがでしたでしょうか?バレーボールファンの方からしたら、「いや。あの選手を入れるべきだ!」とか「順位を変えた方がいい!」などのご意見もあるかもしれませんが、紹介した5名の選手が世界最高峰であることは間違いありません。世界のトップレベルは圧倒的な高さと攻撃能力。さらに経験やメンタルを持ち合わせた選手ばかりですね。しかし、そんな中でも西田有志選手はTOP5に入るオポジットだと思います。西田有志選手をはじめ「石川祐希選手」「関田将大選手」のように世界と対等以上に戦える選手がこれからもどんどん輩出されて欲しいですね!
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