Volleyball

世界最強のセッター‗シモーネ・ジャネッリ選手とは?【バレーボール】

【男子バレーで最強と言われている選手について詳しく知りたい!】

「最近、全日本男子バレーボール代表が強い!石川祐希選手とか高橋藍選手のようなスター選手がいて、観戦してるとワクワクする!日本代表もすごいけど、世界にはもっとすごい選手がいるのかな?世界最強と言われるような選手はどれくらいすごいのかを教えてほしい!」

「誰が最強なのか?」誰しもが気になるテーマですよね。今回はそんなワクワクするようなテーマで記事を書いていきたいと思います。ただ、ポジションの違う選手を比較して最強を語ることは難しいので、今回はコートの司令塔であるセッターにおける最強選手を紹介したいと思います。何をもって最強なのかという基準はさまざまですが、今回紹介する「シモーネ・ジャネッリ選手」は自信をもって世界最強のセッターと言えます。

目次

・シモーネ・ジャネッリ選手のプロフィール

・シモーネ・ジャネッリ選手の経歴

・シモーネ・ジャネッリ選手が特に優れている3つの能力

日本代表のセッターである関田誠大選手も素晴らしい選手ですが、シモーネ・ジャネッリ選手は更なる高みにいる選手だと思います。プロフィールや球歴を紹介しながら、彼の怪物ぶりをじっくりと解説していきたいと思います。5分程度で読み終えれる記事なので、世界最強の司令塔に興味がある人はぜひチェックしてみて下さい!

・シモーネ・ジャネッリ選手のプロフィール

・シモーネ・ジャネッリ選手のプロフィール

まずはシモーネ・ジャネッリ選手がどんな選手なのかを「身長」や「最高到達」等の数値やプロフィールから紹介していきたいと思います。

プロフィール一覧

出身地イタリア・ボルツァーノ
生年月日1996年8月9日
身長/体重/200㎝/92kg
最高到達点/ブロック3m50㎝/3m30cm
利き腕
所属チームシル・サフェーティ・ペルージャ(イタリア) ※2021年~
五輪出場歴(メダル)リオ(銀)・東京(無)・パリ(無)

シモーネ・ジャネッリ選手はセッターにもかかわらず、最高到達点が350㎝という驚異の高さを誇っています。日本代表のスーパーエースである「西田 有志選手」の最高到達点がおよそ350㎝。いかにシモーネ・ジャネッリ選手が身長と身体能力に恵まれたセッターなのかがよくわかりますよね。また、クラブチームは石川 祐樹選手も所属するセリエAの超名門クラブ「シル・サフェーティ・ペルージャ」に所属しています。世界最強のセッターと日本バレーボール界の至宝「石川 祐樹選手」の共演はバレーボールファンにとってたまらないですよね!

■最高到達点とは?

最高到達点とはいわゆる「打点の高さ」を示すものです。ジャンプをした時に腕を上に伸ばした指先の高さのことで、バレーボール選手を評価する際に重要な指標として用いられます。男子日本代表の最高到達点を平均すると約340㎝なので、セッターの最高到達が350㎝というがどれだけすごいことかよくわかりますよね。

■指高とは?

指高とは腕を上に伸ばしきった際の指先の高さを示すものです。着地した状態で計測するものであり、打点の高さとは異なります。指高の高さにジャンプが加わることで最高到達点となります。

・シモーネ・ジャネッリ選手の経歴

・シモーネ・ジャネッリ選手の経歴

シモーネ・ジャネッリ選手は、プロフィールにも記載している通り、現在は代表で活躍しながらクラブでも活動をしています。世界№1にふさわしい実績とキャリアを紹介しておきたいと思います。

シモーネ・ジャネッリ選手の経歴

2012年:トレンティーノ・バレー(セリエA)に入団(当時15歳)
●2015年:イタリアのシニア代表に選出(当時18歳)
●2021年:シル・サフェーティ・ペルージャに移籍(当時24歳)              ●2022年:世界選手権でのイタリア優勝に貢献(当時25歳)               

トレンティーノ・バレーに入団

シモーネ・ジャネッリ選手は2012年にトレンティーノ・バレーに入団し、バレーボール選手としてのキャリアをスタート。在籍期間中に2度のリーグ優勝を果たし、2014‐2015シーズンではリーグMVPに輝きます。2016年の世界クラブ選手権ではチームを銅メダルに導き、自信もベストセッター賞を受賞。2019年の世界クラブ選手権では金メダルを獲得しており、この頃から世界トップレベルのセッターとして評価をされています

イタリアのシニア代表に選出

2015年に18歳という若さでシニア代表に選出されると、同年に開催されたワールドカップでは銀メダル獲得に貢献します。翌年にはワールドリーグでイタリア代表を率いてベストセッター賞を受賞。2017年にもワールドグランドチャンピオンズカップでベストセッター賞を受賞。若干20歳のセッターが強豪国イタリアの一流選手達に認められ、物怖じすることなく、世界の強敵達と渡り合っていました。

シル・サフェーティ・ペルージャに移籍

トレンティーノ・バレーで9年間活躍し続けてきたシモーネ・ジャネッリ選手でしたが、イバン・ザイツェフの加入により黄金期に入っていたペルージャに移籍。シモーネ・ジャネッリ選手の加入により、さらに盤石となったシル・サフェーティ・ペルージャは、2024年にセリエAとコッパ・イタリアで2冠を達成すると、2025年CEVチャンピオンズリーグの決勝戦で勝利し、クラブ史上初の欧州チャンピオンに輝きます。

世界選手権でのイタリア優勝に貢献

シモーネ・ジャネッリ選手はクラブでも代表でもタイトルや個人賞を多く受賞していましたが、代表で金メダルを獲得したことがありませんでした。しかし、2022年の世界選手権でシモーネ・ジャネッリ選手率いるイタリア代表がを金メダルを獲得。自身もMVPとベストセッター賞を受賞する活躍を見せて母国を世界一に導きました次に狙うのはロサンゼルス五輪での金メダル獲得。彼にとってキャリアで最も重要な挑戦となるでしょう。

・シモーネ・ジャネッリ選手が世界最強である理由3選

・シモーネ・ジャネッリ選手が世界最強である理由3選

最後にシモーネ・ジャネッリ選手がなぜ世界最強と言われているのか解説していきたいと思います。主な理由は「①ミドルブロッカー並みの高さ」・「②卓越したトスの技術」・「②セッターとは思えない得点能力」の3つ。

①ミドルブロッカー並みの高さ

プロフィールでも紹介しましたが、シモーネ・ジャネッリ選手は身長200㎝、最高到達点が350㎝。この高さは世界レベルのミドルと同等と言ってもいいでしょう。セッターの最高到達点が高いことで有利な点は大きく2つ。1つは「普通のセッターと比べて遥かに高い位置からトスを上げられる」ということです。高い位置からトスを上げることで、スパイカーに届くまでの時間を短縮することができることに加え、軌道が直線的になりスパイカーは打ちやすくなります。2つ目は「ブロックでの貢献」です。シモーネ・ジャネッリ選手が前衛にいるローテではミドルブロッカーが2枚いるようなもの。2m級のブロッカーが2枚もいたらブロックの決定率・効果率は当然上がります。現代バレーボールではブロックが非常に重要視されていることから、シモーネ・ジャネッリ選手の高さが評価されるのは当然のことと言えます。

②卓越したトスの技術

身長が高いけど、トスの技術はいまいちな大型セッターは沢山います。しかし、トスの技術も世界最高峰な大型セッターは数えるほどしかいないでしょう。シモーネ・ジャネッリ選手は「圧倒的な高さ」「ハンドリングの柔らかさ」「豊富なアイディアを実現する確かな技術」を兼ね備えたセッター。スパイカーの欲しいトスをピンポイントで上げられ、加えてワンハンドでライトに上げたり、アタックライン付近からクイックを合わせたり。セッター経験者が憧れるスーパープレーを簡単に体現してしまうようなレベルのセッターです。相手のブロッカーからすると、どこからどこにトスを上げてくるか直前までわからない。しかもトスの軌道は美しくスパイカーは常に打ちやすい。更にセットアップの位置が高いからセッターからスパイカーにトスが届くまでの時間も短い。シモーネ・ジャネッリ選手はそんな漫画のようなセッターということです。

③セッターとは思えない得点能力

セッターの役割はスパイカーに打ちやすいトスを上げること。なので、チームが得点を取るためにサポートをするのが基本です。しかし、シモーネ・ジャネッリ選手はスパイカーの不調や流れが悪く得点が取れない時には自ら強引に得点を奪うことができてしまいます。相手の隙を見てツーアタックを仕掛けるセッターは沢山います。しかし、シモーネ・ジャネッリ選手が特別なのが、「得点を取りたい時にツーアタックを決めてしまう」ということです。もちろん、百発百中なわけではないですが高身長に加えて高い身体能力を兼ね備えているので、無警戒だと高い確率で決められてしまいます。ブロッカーからするとシモーネ・ジャネッリ選手が前衛にいるローテは常にツーアタックを警戒しないといけません。単純に1人スパイカーが増えると考えるとどれだけやっかいなセッターかよくわかりますよね。

ミドルブロッカー級の高さと得点能力に加えて、圧倒的な技術を兼ね備えた天才セッター。そして、更なる進化を望むことができる若さまでも持っている。まさに「世界最強の名に相応しいセッター」ですね!

まとめ:これからも世界最強の活躍に注目

シモーネ・ジャネッリ選手について、いろいろと解説・紹介してきましたが、シモーネ・ジャネッリ選手がセッターとして「チート級の能力」を兼ね備えている選手である。ということが少しでも伝わっていると嬉しいです。ここ近年、石川祐樹選手や西田有志選手、小野寺大志選手など、世界と対等に渡り合えるスパイカーが出てきているので、もしかすると日本からもシモーネ・ジャネッリ選手のような大型セッターが現れるかもしれませんね。今後を期待されている大型セッターについては、また別の記事で紹介しようと思います。日本代表が倒さなければいけない世界の怪物達について、これからも紹介していきます!

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